e-生活情報センター「デザインの間」
所在地 :名古屋市千種区星が丘元町15-74
 地下鉄「星が丘」駅を降りると、名古屋インターから市街地へ向かう幹線道路と、それに直交する星ヶ丘から、なだらかに下る道の交差点に出る。丘に沿って「星が丘テラス」が既にやさしい都会的な商空間の街並みの表情を見せている。この角地にこの建築は位置し、電力会社の食と住まいに関するアンテナショップといった性格のための空間で、ここに来ればさまざまな情報を引き出すことができる。
 構造は鉄骨の柱から梁をワイヤーで吊り、HPシェルの薄い屋根をのせていて、その上にセダムによる緑化が試みられ、丘の上からさりげなく緑が眺められる。構造はあくまでも控えめで邪魔になっていない。
 道路に面したL字のファサードの南面は、屋根下まで開放的な一枚ガラスで仕切られ、内部の様子が通りからうかがえる。また室内の天井の木製ルーバーが軒深く外部に張り出し、内外の一体感に成功している。幹線道路側の西面にガラス面は回りこみ、一部を木製壁でアクセントをつけ、行き交う車からのスクリーンになっている。
 内部に入ると屋根形状に合わせた天井の木製ルーバーが柔らかな雰囲気を演出し、心地よい空間を演出している。情報ステーションとなるデザインライブラリー他キッチンスタジオ、カフェ、ギャラリーなどがひとつの空間のなかに構成されて、時にイベントも催される。さまざまな生活情報を得る場としての今後の姿を明示している。
 全体として地域のランドマークとなるむずかしい立地に、やさしく顔を出しながらそれでいて存在感のある建築である点が高い評価と言える。軽快で柔らかな「デザインの間」としての建築デザインにも成功し、地域の顔としても今後多くのひとに利用されるような企画を演出し、育てて欲しい建築のひとつであるといえる。
(清 峰芳)
主要用途 ショールーム
構  造
鉄骨鉄筋コンクリート造
階  数 地上1階
敷地面積
3,087.93u
建築面積
930.76 u
延床面積
817.18 u
建築主 中電不動産株式会社
  代表取締役社長 栢 一生
設計者 株式会社竹中工務店名古屋一級建築士事務所 
  設計部長 相川 俊英
施工者 株式会社竹中工務店名古屋支店
  支店長 西山 正直

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