愛知県北設楽郡設楽町大字田口字大西8-1他

 山間の2万7千uの敷地に合う建物とは当然ながら低層化と木質系の立面構成であろう。 この建物はまず景観として、傾斜地を利用しながらその実現に力を入れている。
 南側の敷地のレベルが低いほうから、グランド、平屋の管理教室棟、2階の特別教室棟の配置となっている。また、背の高さが要求される体育館がメインアプローチ脇にあるのが気になるが、 建物内に床段差をつけない土地利用となっており、グランドから見るたたずまいはなじみやすいスケールとなっている。しかしながらグランドと校舎の接点はもう一工夫欲しいところである。
 この学校の一番の特徴は、コモンと称する共用スペースを積極的に屋外に取り入れていることであり、それはクラス単位空間の延長や、 学年ごとの交流、さらには社会性を学ぶスペースとして、「学年コモン」「学校コモン」が用意されていることである。このコモンという木の床や、芝生の外部空間スペース、あるいは廊下空間までとりこむ教室型コモンスペースが、 建築空間として明るく、快適で楽しい環境作りに役立っている。
 もう一つの特徴である連続した三角屋根は、木製の高い天井と、通風と採光を得て心地よい学習環境を得ている。
( 田 中 楯 夫 )
構  造
鉄筋コンクリート造
一部木造(大断面集成材)
階  数 地上 2階
建築面積
5,008.93u
延床面積
5,735.40u
建築主 北設楽郡設楽町
設楽町長 後藤米治
設計者 (基本設計・監修)
豊橋技術科学大学
教授 渡邉昭彦
(実施設計)
株式会社 伊藤建築設計事務所
代表取締役社長 森口雅文
施工者 西松・吉川・大平
特定建設工事共同企業体
代表者 西松建設株式会社
中部支店 取締役 支店長 竹内直彦
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