所在地 : 滋賀県湖南市西峰町1-1の一部
 知的障がい者福祉センターであるが、地域に開かれた施設としてその運営および空間はすばらしい。当初応募されたのは30坪ほどのどちらかというと子どもを対象とするデイケアー施設であるが、全体の地域交流センターとしての位置づけの中でも高く評価される。
 全体としては5棟の建物により構成されている。1層と2層の施設によって構成され、入りやすく、車でもアクセスしやすく考慮されている。RCの管理部門は別にして、他は同一の設計者によって丁寧に各棟がつくられている。木造を主体として、RC造、鉄骨を適宜組み合わせており、温かく、気持ちの良い空間が形成されている。配置的にもその周辺の環境はそれほど優れ、豊かなものではないが、中庭的なしつらえの中で各棟が回遊性をもちながら構成し、有機的な関係性をもっている。建築的な素材は極めてシンプルで、それを丁寧に使い、ディテールも工夫されている。各部の材料は障がい者に寄り添う材料が吟味されている。
 何よりも驚かされるのがいわゆる施設臭がなく、全体がクリーンであることである。本や調度をはじめ、デザインレベルの高い物が置かれ、入所者のアートワークが飾られ、それが丁寧につくられた建築とあいまって高い芸術性のある雰囲気を漂わせている。入賞作品として評価される。
(仙田 満))
主要用途 児童福祉施設(障害者通所施設)
構  造
木造 一部鉄骨造
階  数 地上2階
敷地面積
4,795.96u
建築面積
142.25u
延床面積
124.00u
建築主 社会福祉法人
  オープンスペースれがーと
  理事長 北岡 賢剛
設計者 無有建築工房
  竹原 義二
施工者 西村建設株式会社
  代表取締役社長 山中 敏男

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