第35回 中部建築賞入賞・入選・特別賞作品選評

審査総評


藤木 忠善

 中部建築賞は今回で35回になります。本賞の歴史を継承し、同時に私たちに求められている「持続可能な社会」を目指すという時代の要請に対応し、地域と環境に根ざした優れた作品を見いだすということを念頭に選考が行われました。
 一般部門、住宅部門あわせて96点の応募があり、第一次の審査は9月17,18日の両日行われました。応募作品のポートフォリオを審査員の各自により精査した後、投票と討議によって、一般部門16点、住宅部門6点の現地審査対象作品が選ばれました。
 現地審査は9月中旬から10月中旬にかけて、審査員複数名によって分担して行われました。現地審査に協力していただいた関係各位には心から感謝する次第であります。
 最終審査は10月16日に行われました。各委員から現地審査の報告がなされ、それについての質疑、意見交換を十分に行った後、入賞9点、入選11点、特別賞1点が選定されました。いずれも建築主の信頼を勝ちえた優れた作品であります。
今回の審査の経緯と結果を見ますと、与えられた企画に踏み込んで更なる提案をした作品、機能や構造的解決に、或いは環境や設備的に新しい試みをした作品、また、特に挑戦的ではなくても、企画に合致し、全体として堅実でバランスよく、洗練された作品が評価されました。
最後に、中部建築賞に応募された作品のすべてが、建築主の方々、設計者、施工者、その建築に係わった全ての方々によって、立派に管理運営され、地域に貢献する建築であり続けることを願うものであります。
(藤木忠善)

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