魚津テクノスポーツドーム「ありそドーム」

所在地 :富山県魚津市北鬼江2898-3
 ありそドームは美しい立山連峰を背に、蜃気楼で有名な魚津市の郊外に建っている。自治省のリーディングプロジェクトの指定を受け、地域の産業、文化、スポーツの交流拠点として建設された。1998年秋の世界バレーボール選手権、2000年の富山国体バレーボール会場としてのイベント対応型施設としての目的とともに、市民の多様な、日常的なスポーツニーズや地場産業の展示などを通しての地域活性化を目指している。
 外観は日本海の波をイメージしたと言われる波型キールトラスの屋根が全体を印象づけている。4本一組の箱型に構成されたコンクリート打放しの柱と壁面はほとんどガラスの窓であり、屋根のやわらかい曲面はトラスの線材で構成されていて空中に浮遊し、巨大な建物でありながら、そのボリュームを感じさせず、軽やかな印象を与えている。特に夜間にあっては、その印象が強い。
 交流学習室と名づけられた展望塔は、展望室としての機能と門型の唐突な造型に対して違和感をおぼえる。
 メインアリーナはバレーボールコート3面、2140席の固定席を持つ大体育館であるが、三次元トラスで支えられた曲面の屋根はアトリウム、産業展示ホールの屋根に連続し客席上部の大きく開かれたガラスの壁面とあいまって、開放的で明るく、巨大でありながらも軽やかであり、日常的な市民のスポーツ活動に供する体育館にふさわしいものとなっている。
 エントランスに続くアトリウムの空間も、アリーナと産業展示ホールに連続する高い天井と開放的な壁面構成によって明るくかつ雄大であって来場者の精神を高揚させる。
 本工事の施工面においても、波型キールトラスのユニット化と海上輸送、施工精度の良さなど、施工技術力の高さが見られる。  
(田中 光)
構  造
鉄筋コンクリート造
一部鉄骨造
階  数 地上4階
延面積 
12,153.89u
建築主  魚津市長
 石川精二
設計者  株式会社 久米設計
 代表取締役社長 岡本 賢    
施工者  竹中工務店・関口組・
 千田建設・朝野工業建設
 主体工事共同企業体
 代表者 
 株式会社 竹中工務店
 富山営業所
 所長 中村能久
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