余呉やまなみセンター・はごろもホール

所在地 :滋賀県伊香部余呉町大字中之郷2434
 北国街道沿いの余呉町は、天女羽衣伝説の余呉湖を擁する滋賀県北端の人口約4,500人の過疎の町である。冬の気温約零度、北から吹く湿った2mを超える豪雪は、過疎化と高齢化率に拍車をかけ26.1%にも及ぶと言う。今後ますます増加するであろう高齢化率と、減少するであろう介護人口を予測した時、高齢者と介護者双方の福祉施設として高齢者生活福祉施設の整備が急務となった。医療・福祉・保健・教育委員会。議員等町民参加の議論の結果、文部省系の文化ホールと図書館、農林省系のフラワーセンター、厚生省系の医療・福祉・保健センター等の各分野が自治省系の役場庁舎と複合化した我が国で初めて複合化構想に発展したと聞き及びました。
 周囲の景観と調和を配慮した軟匂配の水平屋根が曲線を描いて奥へ続き、幾つかの曲面の屋根が北に背を向けて重なっている。これは北から吹き下ろす雪への配慮であり、雪野原にみえる風の形が原型となったとの説明である。柱、耐震壁・梁がRCでその他は強度の強い集成材PSL(パラレル・ストランド・ランバー)を構造材としている。勿論、床・壁等は木の温もりを伝え特に手すりに十分な配慮がなされているのには感心する。総合事務室・介護支援センター・デイサービスセンター・保険センター等必要な間仕切りは区画されているが、殆どのの空間は共有している。家具や小物が夫々領域を主張しているようである。中庭を挟んでの、はごろもセンターは図書館、町民サロン、研修室、235席の文化ホールを有する町民すべてが利用できる中心的施設である。ホールは5つのモードに展開を可能としている。コンサート・演劇・ビデオシアター・講演会の各モードに加え舞台の袖壁を解放し、客席と舞台上のハイサイドライトのシャッターを開放して隣接する屋外劇場ともつながる構想である。この施設での特質で追記したいのは、木サッシとペアガラスの採用と、深夜電力利用の顕熱蓄熱型床暖房の採用です。
(飯尾健太郎)
構  造
鉄筋コンクリート造
階  数 地上2階
延面積 
4,834.49u
建築主  余呉町長
 畑野佐久郎
設計者  株式会社
 中村勉総合計画事務所
 代表取締役 中村勉
施工者  飛島・
 材光建設工事共同企業体
  代表者
 飛島建設株式会社
  大阪支店
 常務取締役支店長
  兵頭腎臓
 株式会社 材光工務店
  代表取締役社長 伊藤光男

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